・本書は、リサーチャーとして、企業、行政、学校などあらゆる組織のデータ分析や、商品開発・マーケティング支援、新規事業開発支援などを行っているほか、SNS総フォロワー40万人超で、日常の素朴な疑問や謎を、統計学や確率論の観点から解説しているビジネス系ユーチューバーとしても活躍する著者が、先人の知恵と最新の文献を調べ、「後悔しない人生を送るための死ぬまでの時間の使い方」を体系的に整理した1冊。 ・子どもの頃は、たった20分でも「校庭に行ってドッジボールができる」と判断し、実際に実行できていたが、大人になった今では、「たった20分じゃ何もできない」と思い込み、手元のスマホで時間を浪費してしまう。 ・つまり、大人になるにつれて、時間に対する知覚が歪んでいき、よくない思い込みによって有意義な時間の使い方ができなくなっているのだ。
・ある研究者の論文で「片づけなければいけない問題(課題)の締切にいつも追われているのは、時間のコントロールではなく、集中力のコントロールに焦点を当てることが大事」というようなことが述べられている。締め切りがあるおかげで、集中力が出るのだ。
・本当の課題は、時間の使い方ではない。問題は、「自分にとっての有意義な時間ややるべきことが一体なんなのかわかっていない」、ということと、「人生において本当に大切なことに向き合おうとする時に現れる邪魔者の正体がわかっていない」、ということなのだ。
・しかし、この状態は、あなたの中の何かが欠けているとか、壊れているわけではなく、人間であればいたって普通の状態である。
・私たちは、より幸せになるために、知識や技術を習得するが、「死ぬまでの有意義な時間の使い方」に関しては、著者を含め、ほとんどの方が素人なのだ。
※私たちが直視できないものを、著者は「人生の3つの理」と考えている。その詳細については、本書をお読みください。
・充実した人生の過ごし方と、生きていく上で生じる心理的な苦痛(ストレス)をなんとかしたいという悩みは、今に始まったことではなく、約2600年の歴史において、膨大な論考と研究が行われてきた。
・時代によって少しずつ考えはこれまで歴史上の智慧人が出してきた、人生の向き合い方と苦痛への処方箋は、大きく3つの点で共通する考えがある。
・そのひとつに、「人生に苦は必要である」がある。人が幸せになるには、ポジティブな体験を増やし、ネガティブな体験を減らすことでが必要なのではないかと思うかもしれないが、「苦痛を逃れて楽に生きたい」は、幸福から遠ざかる選択であることも多い。
・私たちは、なるべく少ない労力で楽をしたいと考えるが、実際には、これまで払ってきたコスト(時間・労力・お金)の総量が、幸福感を高める傾向にある。これを、心理学では「努力のパラドクス」という。
・ストレスにより細胞が傷つくことがいけないのではなく、それを自らで修復することで強くなっていく。長い目で見れば、ストレスをゼロにして楽しいことだけやっていこう、という選択では、人間もすぐに枯れて(老けて)しまうかもしれないのだ。
※「人生の向き合い方と苦痛への3つの処方箋」、「『後悔する時間・充実する時間』の使い方」の詳細については、本書をお読みください。
・本書では、「『人生の浪費』の正体を暴く」「人生の『3つの理(〇・〇〇・〇〇)』と向き合う」「自分の『本心』を掘り下げる」「〇〇に従って行動する」という章で構成されており、
◇後悔しない人生を送るためにすべきこと
◇「〇〇〇エビデンス」は必ずしも正しくない
◇価値観を明確にするワーク
◇目標設定は、「〇〇」「目標」「〇〇」の3段階で行う
といった私たちが時間を浪費してしまう原因を解明し、濃密な時間を取り戻すための対策について紹介した内容となっている。
様々な困難の中でも、自分の時間を有意義に活用したいと考えている方は、ご一読ください。
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