石丸伸二「シン・日本列島改造論」

石丸伸二「シン・日本列島改造論」

2024/7/13

・本書は、広島県安芸高田市長を務め、自治体YouTubeチャンネルは、東京都を超え登録者数日本一となるなど、忖度や根回しのない、あるべき姿に対しストレートな政治手法が、多くの国民から支持され、2024年6月に市長を辞任し、東京都知事選へ出馬した著者が、加速度的に人口減少と少子高齢化が進行していく日本が向かうべき方向性を、安芸高田市長時代の実例を振り返りながら伝えた1冊。
・著者が、安芸高田市長選に出馬したのは、愛する故郷の衰退を止めたいと思ったから。著者が幼い頃は、日本全国が好景気に沸いていた時代で、生まれ故郷の広島県高田郡吉田町の商店街もにぎわっており、「豊かなまちだなぁ」と感じていたそう。
・しかし、著者が中学・高校と進学するにつれ、みるみる賑わいを失っていき、次々と商店街のお店が閉まっていきシャッター街になっていくなど、生まれ育ったまちが衰退していくことで、「この町から脱出しなければいけない」と決意し、一旦は生まれ故郷から離れていった。
・ある日、某夫婦による大規模な買収時間が明るみとなり、当時の安芸高田市長が金銭の授受を認め辞職した。そして新しい市長を選任する選挙が行われることになり、「生まれ故郷が加速度的に消滅への一途を辿ることになる」といく危機感が著者を襲い、いてもたっても居られず、翌日に辞表を出し、安芸高田市長選に出馬することを決意した。
※会社を辞めてから市長選まで1ヶ月弱であったが、選挙で当選することになる。この1ヶ月弱の間にどのような行動を行ってきたか、著者の生まれ故郷に対する思いなどについても述べられているが、詳細は本書をお読みください。
・著者が市長に就任して、真っ先に掲げたのが安芸高田市を「世界で一番住みたいと思えるまち」にすることだった。そのために「政治再建」「都市開発」「産業創出」の3つを政策の柱としたが、もっとも早く結果を出せるのが「政治再建」である。
・地方自治体では首長(知事や市長)と議会議員の両方を、住民による直接選挙で選ぶ。
・市長と市議会議員では役割が異なる。市長は市政を執行する側にあり、議会にその方針や重要事項を提案する立場である。
・一方の市議会議員は、住民の代表として住民の声を拾い集め、提案された議案について審議し決定する立場である。
・クルマに例えるなら、アクセル(市長)とブレーキ(市議会議員)である。スピードを出し過ぎないように、または信号無視をしないように、適切にブレーキをかける。つまり議会は市長が爆走しないよう、監視する立場にあるのだ。
・議会の目指すべき姿として、「開かれた議会」という言葉がある。国民に議会の内容を正しく伝えることで、代表的なものに国会中継があり、安芸高田市でもYouTubeによる議会中継を実施している。
・著者は市長就任前からソーシャルメディアの活用方法を意識しており、「ある議会にて、一般質問への答弁中に、30分以上いびきが聞こえる」という事件以降、その思いは深まった。
・ソーシャルメディアで発信した画像、テキストは、後世まで残り続ける可能性が非常に高いからだ。
・うまく使えば大きな武器となるが、一つ間違えると諸刃の剣となって自分に襲いかかってくる。だからこそ議会での発言には、最新の注意を払う必要がある。
※著者が2022年6月の議会で、議員定数半減の条例改正案を提出した際、答弁で「恥を知れ!恥を!」という言葉を発したが、その時のエピソードについて述べられている。その詳細は本書をお読みください。
・本書は、「『伸』石丸伸二の原動力」「『深』まちを深く知る」「『真』真実のまちづくり」「『新』新しい時代のまちづくり」「『心』心通わせるコミュニケーション」「『親』親子世代をつなぐまち」「『進』日本が進むべき道とは」「『申』石丸伸二が物申す」という章で構成されており、
◇政治に興味を!「政治のエンタメ化」を標榜する意味
◇まちを変革する第一歩とは
◇兵庫県明石市が人口増を実現できた理由
◇小さな地方自治体が、今後注力すべきこととは
◇今を生きる大人ができる未来への投資とは?
など、著者自身の市長時代の経験や、他の事例を通じて、日本や私たち自身がどのように向かえばよいかの指針となる内容が収録された内容となっている。
固い話が多いかと思ったが、「君の名は。」「鬼滅の刃」「新世紀エヴァンゲリオン」などのサブカルチャーのお話も交えて解説した内容もあり、遠くに感じる政治を身近に繋ぎやすくする工夫が本書に拵えられている。
これからの日本、自分自身が進むべき道とはについて考えさせられる内容となってますので、ご興味ある方は、ご一読ください。
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