・本書は、組織やチーム、個人のパフォーマンスを研究し、アカデミアの知見とビジネス現場の橋渡しを行う研究者でプロジェクトマネジャーの著者が、組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見、違和感の指摘が、いつでも、誰もが気兼ねなく言える状態の「心理的安全性」のつくりかたについて解説した1冊。
・心理的安全なチームとは、一言でいうと「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと」である。
・しかし、ほとんどの職場に、自然と生じてしまう「対人関係のリスク」が「健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をする」ことを阻害してしまう。
・だから組織の誰もが生産的でよい仕事をすることを願っていたとしても、組織・チームはおのずと心理的安全ではないチームになってしまう。
・心理的安全なチームは、外交的であることでも、アットホームな職場のことでも、単に結束したチームのことでも、「ヌルい」職場のことでもない。
・心理的安全性はチームのためや成果のために必要なことを、発言したり、試してみたり、挑戦してみたりしても、安全である(罰を与えられたりしない)ということなのだ。
※「ヌルい職場」という誤解を解き、心理的安全性を機能させる上で重要な考え方についてのべられているが、詳細は本書をお読みください。
・本書では、個々のチーム、個々のメンバーに合わせて、しなやかにチームを変えていくことのできる「心理的柔軟なリーダーシップ」を提案している。
・この「心理的柔軟性」とは、
①必要な困難に直面し、変えられないものを受け入れる
②大切なことへ向かい、変えられるものに取り組む
③それら変えられないものと、変えられるものをマインドフルに見分ける
という3つの要素があり、個人がこの3つの要素を満たしている時、状況・立場・文脈に応じて、役に立つ行動がとれるのだ。
・心理的安全性を身につけるためのひとつに、「必要な困難に直面し、変えられないものを受け入れる」がある。
・ここでいう「必要な困難」とは、「困難な思考や感情」を意味する。もしこの心理的柔軟性がトレーニングされていなければ、あなた自身の行動や接し方を変える、という最初の一歩ですは踏み出すのが困難になる。
・これを磨くことで、思考や感情にとらわれ、行動を制約されること無く、心理的安全性を高める行動を増やし、罰や不安を与える行動を変えることができるのだ。
・自分自身が、一点の曇りなく正しく、「どう考えても、それはおかしい」と感じられる時があった時が、「思考=現実」(思考と現実が混じり合い、境目がない状態)に気づくチャンスである。
・「どう考えても、それはおかしい」と感じられる時、つい相手の「すべて」を否定してしまいそうになるが、その相手が生まれてから死ぬまで、全人格的に、全局面で、全面的に邪悪なわけではないはず。
・あなたが「本当に正しい」時ですら、あなたの正しさを示し、相手の誤りをあげつらうことは、チームに心理的安全性を構築し、メンバーが一人一人輝く上では、役に立たないことが多いのだ。
・「『白黒』で捉えようとしているな」ということに、まずは気づいてみること。「絶対におかしい」と思えるようなときが、そのときなのだ。
※「白黒思考に陥ったときの脱出方法」「その他の心理的柔軟性を身につける方法」についても記載されているが、詳細は本書をお読みください。
・本書は、「チームの心理的安全性」「リーダーシップとしての心理的柔軟性」「行動分析でつくる心理的安全性」「言葉で高める心理的安全性」「心理的安全性 導入アイデア集」という章で構成されており、
◇日本版「チームの心理的安全性」の4つの因子
◇心理的安全性「変革の3段階」とは
◇あなたの「行動」は、相手の「〇〇〇〇」や「〇〇〇〇」
◇心理的安全性を高めるために最初に行うこととは
といった、多様な才能がもっと輝き、人々が充実感とともに成果が出せるようになるための組織・チームに心理的安全性をつくるための内容が収録されている。
自分のチームの「心理的安全性」を高めたいと考えている方は、ご一読ください。
#瞬読アウトプット #1分書評 #jmam #組織 #チーム
Amazonはこちら
https://amzn.to/48XAKCQ