大石吉成「最強の経営スタイル 親子経営の教科書」

大石吉成「最強の経営スタイル 親子経営の教科書」

2022/8/2

・本書は、数十社の社外顧問をしながら親子経営戦略コンサルタントとして活躍する著者が、日本の親子経営が持つ魅力と実力について解説した1冊。
・日本の企業数は359万社(個人事業主含む 2016年)、うち中小企業が99.7パーセントを占めている。また、親子経営を含む同族企業は中小企業全体の9割を超える。つまり、規模の大小はあるが、日本の企業の多くは、親子がなんらかの関わりを持ちながら経営しているのである。
・企業にとって貴重な経営資源は、「地盤」「看板」「顧客」「取引先」「与信」「人脈」である。これらが親子経営企業ではスムーズに引き継がれていく。経営資源は一朝一夕にできるものではなく、親から子へ、そして孫へと長い時間をかけて連綿と受け継がれていく。
・起業した会社がなによりほしいのが顧客。一度や二度商品を買ってくれたお客はいるが、長年買い続けてくれる、あるいは長年取引してくれる顧客は、一朝一夕にはできないもの。代々続く親子経営企業にはその心配がない。親から、さらには祖父の代からの顧客までいるというのが親子経営企業である。
・さらには取引先同士で姻戚関係が結ばれることも多い。姻戚関係となることで結びつきを強め、信頼関係をさらに強くしていこうとする。
・若い後継者が社長になると、引き継いだ会社を勢い込んで大きくしようとすることがあるが、会社は大きければいいというものではない。今の日本で100年以上続く親子経営の多くが、しっかりと地元に根を生やし地盤を固め、堅実に手堅く経営しているのは、自社の実力を知り分相応な経営をしているからである。
・親子経営企業は、地域に根差し、身の丈にあった経営をすることで、100年以上続いている。自社の地盤を大切に守り、自社の看板に磨きをかけ、より地域に愛され可愛がってもらえるよう努め、代々の顧客を第一に考え、代々の人脈を尊重し敬い、自社の取引先との信頼を深めることが、親子経営企業を最強のスタイルにするのである。
・本書では、「親子経営は最強のスタイルだ」「親子経営の真価を発揮する」「親子経営の死角」「最強親子経営 5社のケース(株式会社オリハラ中央博善社・株式会社シバサキ製作所・社会福祉法人こうほうえん・株式会社クワバラ・パンぷキン・堅木株式会社)」「ケースから読み解く-親から子に伝えたい経営のエッセンス」「新しいビジネスモデルを創造する」という章で構成されており、親子経営の魅力、親子経営の後継者はどのような者であればよいか、親子経営に必要なこととは、親子企業のデメリットとは、そのデメリットをどのように乗り越えていくのか、後継者はどのように選ぶか、後継者が経営者になるために何が必要であるかなど、親子企業の魅力とその事例について紹介された内容となっている。
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