野上英文「朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた戦略的ビジネス文章術」

野上英文「朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた戦略的ビジネス文章術」

2022/7/30

・本書は、朝日新聞記者で、MIT(マサチューセッツ工科大学)経営大学院MBAの著者が、実社会で最も必要とされる「速く、わかりやすく書く技術」を手に入れることを目的に、「文章力の速筋」、戦略法など書くことの基本(初稿の仕上げ方、編集、校正・校閲など)について解説した1冊。
・文章を書いていると、読み手が内容をちゃんと読んでくれると期待しがちであるが、読み手はたいてい、とても気が短く、興味や必要性を瞬時に判断する。たとえ一文一文を練って書き上げたとしても、期待通り読んでもらえるかは定かではない。鍵を握るのは、冒頭に短く置く「見出し」(タイトル、ヘッドライン)である。
・「見出し」の意味は、ビジネス文書に合わせると、「文書の内容が一見してわかるように、要約したタイトル」である。文章をどれだけ長く書いても、最初で「読んでもらえるか」「読んでもらえないか」の判断がなされる。情報があふれる時代。目の前に飛んできた情報のボールに手を出すか、見送るか、という「選球」は、よりシビアになっている。文書の冒頭に置いた見出しが的を得ず、「読みたい」と思わせるものでなければ、一瞥(いちべつ)して読み飛ばされるかもしれない。どんな文書も見出しが勝負」なのだ。
※見出しだけで、「読みたい」と思わせるためには、好奇心をかき立てる工夫がいる。そのために必要な三つのルールや見出しづけのヒントが紹介されているが、詳細は本書をご覧ください。
・スマホやスマートウォッチの小さい画面で、仕事上のメッセージを確認する機会が増えた。読み手に負担をかけないためには、書き出しを簡潔にすることが、ますます重要になっている。
◯誰のどんな行動を期待するのかといった戦略を忘れない。
◯仮見出しを立て、二段論法でリード文を書く。
◯初稿は小見出しを旗印に、なるべく一気に書き上げることを意識する。
◯いったん書いたら、他人の目線で書き直す。
という一連の基本動作が体に染みつけば、どんなビジネスシーンでも書くことに困らないはず。
(↑4つの詳細は本書に記載されています。)
・一方、受け取った文章やメッセージ「読むのは、A4用紙のリポートに限らない。スマホで開いて、外出先や移動の空き時間に返信を済ませることも多くなった。
・デジタル上でメッセージがたくさん行き交い、小さい画面で文面を読む機会が増えていくなかで、書き手が、丁寧さを忘れずにら要件を早めに伝えることも、現代マナーのひとつ。欧米のビジネスライティングの書籍では、ビジネスメールを前提に「相手に画面をスクロールさせるな」と、メッセージをなるべく手短に済ませるよう助言している。
・「読み手の立場に立って書く」「読まれて当然だという思い込みを捨てる」という本書で繰り返し伝えているこの文章の原則は、どんな文書形式にも応用できる。加えて、「相手がどのようシチュエーションで読むのか」という想像もして、編集に取り組むことも大事である。
・本書では、序章の「書く力がないと損をする」から始まり、「仮見出し・二段論法」「文章マネジメント術」という2部で構成されており、「「リード文」5秒で引き込む二段論法」「「戦略」結果を出す3A(読み手・聴衆、期待する行動、空気感)分析」「初稿はアルペンスキー 筆を止めないコツ」「書くこととは、書き直すこと」「陥りがちなミス 7パターン」「書くことのリスク」「ポジティブは文章で、ネガティブは口頭で」という文章の基礎から実践まで、豊富な事例と章の終わりにあるフレームワークを活用することで、誰でもすぐに戦略的なビジネス文章術が身につく内容となっている。
メール、プレゼン資料、企画書、SNSなど、さまざまなシチュエーションで活用できますので、書くことにお悩みの方はぜひ本書を手に取っていただけたら幸いです。
※本日(7/30)発売の本です!
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