松橋良紀「聞き方の一流、二流、三流」

松橋良紀「聞き方の一流、二流、三流」

2022/12/15

・本書は、43歳で突然の退職勧告(クビ)を言い渡されるも、退職をきっかけにNLPをベースにした心理スキルを教える講師として独立し、現在は聞き方スキル、雑談スキル、心理スキルをテーマにした研修やセミナーで活躍する著者が、「話がうまい」と言われる一流の聞き方とはどういうものかについて「三流・二流・一流」に分けて紹介した1冊。

聞き方のスキル(一部)

聞く理由「三流は、話の内容だけ聞き、二流は、理解を示すために聞き、一流は、どう聞く?」
・「ねえ、ちゃんと話を聞いているの?」と誰かにそう言われた経験は誰でもあると思う。他人からこんな注意をされる人は、相手に相づちを言葉を返せば十分だと思っている人が多い。
・この時の一番の問題は、「話の内容が頭に入っていれば問題ないでしょ」と考えていること。ITや士業など、とても高度な専門知識が必要な仕事についている人ほど、この傾向が強いように著者は感じている。
・理由は、「話を聞くことは伝達情報だけが目的だ」と勘違いしているからだ。相手に、「私の話をきちんと聞いてもらえている」「私の気持ちを受け止めてもらえた」と感じてもらうことが、聞き方でもっとも大事なことである。それをしないから怒られるのだ。
・「しっかり聞いているよ」というサインはどんなものがあるかというと、まずは「視線を合わせること」である。相手が話しているときには、相手の目を見て聞くこと。簡単なようで、実際は見ないで聞く人だらけなのだ。
※更に、「しっかり聞いているよ」のサインを深めるための行動が書かれているが、詳細は本書をご覧ください。

話し上手になるには「三流は、何を話したら良いのか悩み、二流は、話すのには困らず、一流はどうする?」
・著者は営業時代、まったく売れない営業をおこなっていた。同行していた課長は著者と同じセールストークをしていたが、著者はお客様に軽くあしらわれるのに、課長が話すとお客様は深く納得して、最後には契約に行き着く。
・著者が売れなかった理由は、聞く技術が足りなかったから。そして世の中のほとんどの人は、聞いているつもりで、聞けていないこともわかった。
・信頼関係を築くには、素晴らしい説明ではなく、相手の話を聞くことなのだ。一流は、トークよりも、「聞くこと」を大事にするのだ。

リアクション「三流は、リアクションせず、二流は、つまらないリアクションしかせず、一流は、どう聞く?」
・一流は、さまざまな相づち言葉を駆使する。また、相づちを打つときには、オーバーなくらいに抑揚をつけたり、バリエーションに富んでいる。このように、一流の共通点は、オーバーなくらいのリアクションをする「共感スキル」に長けていることである。
・「ちゃんと話を聞いている?」と言われる人は、たいていリアクションの薄さを指摘されている。人は、理解ではなく、共感がほしいのだ。自分の感情を受け取ってほしくて話しているのに、リアクションが薄いと、とたんに不満がたまる。熟年離婚は、話を聞いてこなかった夫に対するしっぺ返しというケースも多いようである。
・一流は、オーバーなくらいのリアクションを自然にこなす。最近は、オンラインでのやり取りがほとんどであるが、こんなオンラインの時代こそ、首がもげるぐらいにブンブン振って、声を張り上げてリアクションすること。対面の3割増しくらいでも足りないくらいである。一度、「リアクションがオーバーだね」と言われるくらいやってみることで、ちょうどいい加減が身につくのだ。

・本書では、「「聞く」と「話し上手」になる理由」「チャンスをつかむリアクション」「相手の心を開く技術」「好かれる人の極意」「面倒ごとへの対処法」「聞き上手の心構え」という章で構成されており、「悩みを聞くとき」「沈黙の対処法」「声の使い方」「家庭円満の秘訣」「辛いことがあった人に対してどうするか」「相手にお願いするとき」「マウントをとられたとき」など、合計49の項目に分けて、一流、二流、三流の人の特徴について解説した内容となっている。

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