・本書は、「教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする大学教授の著者が、ベストセラーの「愛するということ」(エーリッヒ・フロム著)をあたたかなイラストと著者の解説を通じて子どもにわかりやすく紹介した1冊。
・ユダヤ人の家庭に生まれたエーリッヒ・フロム(以下、フロム)は、第一次、第二次世界大戦と、ナチスによるはくがいを経験している。そのつらい体験の中で、生きるとは何か?自由とは何か?社会とは何か?について考え続けた。
・1956年、「愛」の大切さが見えなくなっていた世の中に対し、愛することを学び、愛する技術を身につけることで、本当の愛にたどり着けるとといた。その本が、「愛するということ」である。
・フロムが「愛」について考えるポイントとして
①「愛される」より「愛する」
②「落ちる」ではなく「とびこむ」
③「与える」ことからはじまる
④ひとりの時間も大事に
⑤世界全体を愛する
がある。
孤独を恐れず勇気を持って生き抜くための29の言葉(一部)
①愛は「努力」して「学ぼう」
フロムの言葉
「愛する」には、頭をはたらかせること、努力することが必要!愛とは、学ぶべきものなんだ
・「恋に落ちる」という言葉があるように、いつのまにか人を好きになるなることがある。だから「愛」はしぜんな心の動きだと思っているが、いつのまにか好きじゃなくなっておわることもある。
・フロムは「愛とは、考えて、努力して、学ぶべきものだ」と言う。
・「愛すること」はピアノをひくのと同じ。ピアノは努力して学んで、練習してようやくひけるようになる。それと同じように「愛すること」もしぜんにできることではない。
②愛を与えることで、相手の可能性を引き出そう
フロムの言葉
愛を人に与えることで、相手の中に新しい何かが生まれる!
・物やお金は、たくさん持っている方が豊かと言えるけれど、愛にかんしては、「たくさん与えられる人が豊かなんだ」とフロムは言っている。
・愛を与えるこういは、相手の中に新しい何かを生み出すもの。
・著者の「文章を書く力」は著者が小学校1年生のとき、たんにんの先生が、日記を書くといく課題を出し、「ここがいいですね」などとていねいにコメントを書いてくれた「コメントという愛」によって生まれたもの。著者はそれがうれしぬて毎日書いていたら、文章を書くことが好きになり、こうして文章を書く仕事をするようにもなった。
・愛とは相手の才能を引き出すクリエイティブなものでもあるのだ。
・本書では、「勇気をもって、自分から愛せる人になろう!」「思いやりをもって、人を愛そう!」「愛することがキミを強くする!」「愛するハードルを乗り越えよう!」「人は「愛」のために生きている!」という章で構成されており、「よりよくするための対立がある」「ひとりでいることも必要」「すべてを信じる気持ちをもつ」「思いこみはとてもアブナイ」など孤独を恐れず勇気を持って生き抜くための29の言葉が、フロムの言葉とあたたかなイラスト、著者の解説を通じて子どもにもわかりやすく、大人が読んでも楽しめる内容となっている。
#瞬読アウトプット #1分書評 #KADOKAWA #フロム #愛 #愛するということ #love #齋藤孝